白い生はちみつ
山と草原の国、キルギス共和国
白い生はちみつは中央アジア、キルギス共和国のものです。キルギス共和国はシルクロード上にあり、国土の40%が標高3000mを超える山脈という山岳国です。
気候は一年を通して乾燥し気温はやや低く、夏は25度程度で暑いですが高地や山岳地では涼しく高原リゾートを楽しむツアーがあります。冬は低地でも氷点下になります。
1991年までソ連の支配下にありました。言語はロシア語、キルギス語が公用語ですが多民族国家なのでウズベク語等を使う人もいます。日本からの直行便はなく、ロシアやトルコを経由して行くのが一般的です。
はちみつ大国キルギスでも珍しい白い蜂蜜
真っ白でクリーミーなー舌触りが特徴で、ふんわりとした風味は日本で一般的に販売されている蜂蜜とは大きく異なります。エスパルチェット(いがまめ)の花の白い蜜を集めた蜂蜜です。
広大な草原のあるキルギスでは養蜂が盛んで現地のスーパーマッケットでも沢山の種類の蜂蜜を販売しています。中でも大自然が貴重な生態系としてユネスコに生物圏保護区として指定されているイシク=クル州で取れた蜂蜜は別格と扱われています。
キルギス養蜂組合の養蜂家が採取する蜂蜜の中でも、特に純度の高いものを選んで輸入しています。
加熱処理を行なっていない生はちみつ
一般的な蜂蜜は殺菌のために収穫後加熱して瓶詰めしていますが加熱すると蜂蜜の中の酵素は失われてしまいます。生のまま瓶詰めされたこのはちみつは酵素が活動しています。そのため表面に気泡が出ることがありますが味には全く問題ありません。まれに黒い点が入っていることがありますが、巣の一部やプロポリスの粉末ですので安心してお召し上がりください。
かつてサウジアラビアの富豪など一部の人たちに買いしめられていた特別な味
キルギス旅行の記憶は雄大な山と草原。長距離バスの移動では常に山道で両側に広がる草原にはヤギやヒツジが草を食んでいました。出会う人は皆親切で優しく、顔立ちが同じモンゴル系なのですぐに親近感を抱けます。
この白いはちみつと出会ったのはキルギスを訪れた数年後、キルギスとウズベキスタンに縁の深い日本の友人の紹介でした。かつては一部の富豪に買い占められていたというこの蜂蜜は食べた瞬間に草原の心地いい風を感じるような優しい味です。日本の蜂蜜との違いを楽しんでいただけると嬉しいです。
文:中沢かおり