純粋なチョコレート


クラウディオ・コラッロチョコレート工房

クラウディオ・コラッロチョコレート工房はアフリカのギニア湾に浮かぶ島国、サントメプリンシペにあります。

サントメプリンシペは主にサントメ島とプリンシペ島の2つの島から成っています。国土の面積はすべての島を合わせて佐渡島と同じくらいです。気候は一年を通して蒸し暑く、気温は25度前後ですが町には海からの風が吹いてくるので日本のようなじっとり感はほとんどありません。

1975年までポルトガル領だったため言語はポルトガル語です。ポルトガルからは定期便があり、美しいビーチとのんびりした時間を楽しむためにヨーロッパからの観光客が多く訪れます。

コーヒー栽培からカカオ栽培へ

クラウディオ・コラッロチョコレート工房のオーナーはイタリア人のクラウディオ・コラッロさんです。

イタリア出身のコラッロさんは大学で熱帯農業経営を学び、23歳でザイール(現コンゴ民主共和国)に渡りました。農業調査をする傍らコーヒー豆の仲買を手がけ、数年後に自分の農園を所有します。最も良い時には年間約880トンの最高級の品質の豆を生産し、各国へ輸出していましたが1990年代に国の政治状況が徐々に悪化したため、サントメプリンシペへ移り仕事を始めます。

サントメプリンシペはかつてカカオ豆栽培が盛んだったものの、廃れてしまった地域でした。興味を持ったクラウディオさんはあらゆるカカオ豆を味わったものの満足できる豆がなかったため、コーヒー栽培の知識をカカオの生産に応用してカカオ栽培を始めることにしました。最大の挑戦は豆の苦味に対してです。苦味を豆の欠陥であると考え、その根源を調べ、欠陥のない豆をつくるために研究所を設立しました。

美味しい100%カカオ豆チョコレート

収穫時期、発酵、乾燥、焙煎の方法、、、自身の手でチョコレートを作る実験を重ねることでカカオ豆とチョコレートを熟知し、正真正銘、苦味のない豆を作ることに成功しました。

乳化剤、香料など一切の添加物は一切使用しません。苦味も酸味も全くない、カカオ豆本来の豊かな香りを楽しめるチョコレートです。 

ヨーロッパ各国でも特別な店舗で販売されており、欧州最大のチョコレートの祭典ユーロチョコレート2016では最優秀国際プレゼンス賞を受賞しました。

文:中沢かおり

Claudio Corallo